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公開日:2025/04/14

国内企業のLLM活用事例8選!導入を成功させるポイントも解説

国内企業のLLM活用事例8選!導入を成功させるポイントも解説

「LLMを活用したいけど、他社がどう活用しているか知りたい。」
「自社でLLM導入を成功させるための具体的なポイントが分からない。」

このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、国内企業のLLM活用の事例を8つご紹介。また、LLMの導入・活用を成功させるためのポイントについても解説しています。

LLMの導入・活用でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

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LLM(大規模言語モデル)とは?

LLM(大規模言語モデル)とは?

LLM(大規模言語モデル)は、大量のテキストを学習し、自然な文章の生成や質問応答、要約、翻訳などを行うAIモデルの総称です。

人間の言葉を理解し、文脈に応じた柔軟な応答ができるため、問い合わせ対応や文書作成、ナレッジ検索など、さまざまな業務で活用が進んでいます。特に近年は、企業独自のデータを学習させたり、特定の業務に合わせてカスタマイズしたりする動きが活発化し、実用性がますます高まっています。

国内企業のLLM(大規模言語モデル)活用事例8選

国内企業のLLM(大規模言語モデル)活用事例8選

ここでは、以下の国内企業でのLLM活用事例を8つご紹介します。

  • 株式会社メルカリ
  • 株式会社サイバーエージェント
  • 株式会社find
  • 江戸川区役所
  • 株式会社NTTドコモ
  • 株式会社サーキュレーション
  • 三井住友海上火災保険株式会社
  • 富士通株式会社

それぞれ「課題」「活用方法」「効果」の3つに分けて解説しますので、LLMの導入を検討している方はぜひ参考にしてください。

株式会社メルカリ:LLMを活用した大規模商品カテゴリ分類への取り組み

  • 課題
    日々大量に出品される商品を正確に分類する必要があるが、新商品や曖昧な表現への対応が難しく、人手による分類コストがかかっていた。また、分類の精度・効率性の向上が求められていた。
  • 活用方法
    GPT-4などのLLMを活用し、商品タイトルや説明文から特徴を抽出・理解させ、最適なカテゴリ候補を生成するシステムを開発。単独利用だけでなく、既存の機械学習モデルと組み合わせるハイブリッドアプローチを採用し、LLMの柔軟性と既存モデルの安定性を両立させた。
  • 効果
    従来の手法では難しかった、複雑な商品やニッチなカテゴリへの分類精度が向上。分類作業の自動化が進み、運用コストが削減された。また、ユーザーが目的の商品を探しやすくなり、出品者・購入者双方の利便性が向上し、プラットフォーム全体の価値が向上した。

参考:https://engineering.mercari.com/blog/entry/20240411-large-scale-item-categoraization-using-llm/

株式会社サイバーエージェント:ChatGPTで広告運用の実行スピードを大幅短縮

  • 課題
    インターネット広告運用において、効果的な広告テキストを多数作成する必要があり、その制作に多くの時間と労力がかかっていた。また、多様なターゲットや媒体に合わせたクリエイティブを迅速に生成し、PDCAサイクルを高速化することが求められていた。
  • 活用方法
    ChatGPT APIと同社独自の広告効果予測AIを連携させたシステムを構築。商品情報やターゲット層のデータを基に、効果が高いと予測される広告テキスト案をAIが自動で大量生成し、運用者が選択・微調整を行った。
  • 効果
    広告テキスト制作にかかる時間が大幅に短縮され、広告クリエイティブの制作・改善スピードが飛躍的に向上。運用者はより戦略的な分析や企画業務に集中できるようになり、広告効果の最大化につながった。

参考:https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=28668

株式会社find:落とし物情報をAIで自動生成、登録時間が5分から20秒に削減

  • 課題
    商業施設や交通機関での落とし物情報の登録作業に、1件あたり平均5分程度の時間がかかっていた。また、手入力による情報の誤りや担当者による表記のばらつきがあり、検索精度に影響を与える可能性があった。
  • 活用方法
    遺失物管理SaaS「find」に、AI(GPT)連携機能を搭載したシステムを構築。スタッフが落とし物の特徴(色・形状・ブランド名など)を入力するだけで、AIが内容を解析し、カテゴリ分類・品名・特徴タグなどを自動で生成・登録できるように。
  • 効果
    登録作業時間が最短20秒まで大幅に短縮され、スタッフの業務負荷が大きく軽減。入力ミスの削減・情報の標準化により、落とし物の検索精度が向上し、遺失物対応業務全体の質と効率が向上した。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000104939.html

江戸川区役所:住民サービスにChatGPTを導入、自治体の業務効率化を実現

  • 課題
    住民から寄せられる多様な問い合わせ対応に加え、職員による文書作成・情報検索など、内部業務にも多くの時間が取られていた。限られたリソースの中で、住民サービスの質を維持・向上させつつ、職員の業務負担をどう軽減するかが課題。
  • 活用方法
    ChatGPTと連携した対話型AIサービス「Cogmo Attend」を導入。
    住民向けには、区のFAQ等を学習したAIが、問い合わせに24時間自動で応答。職員向けには、文書作成支援・情報検索・翻訳などの業務補助ツールとして活用を開始した。
  • 効果
    住民はいつでも迅速に必要な情報を得られるようになり、サービスの利便性が向上。職員は定型業務の時間が削減され、より専門的な業務に注力できるようになり、行政サービス全体の効率化・住民サービスの質が向上した。

参考:https://cogmo.iact.co.jp/case/edogawa.html

株式会社NTTドコモ:社内業務を横断支援する生成AI基盤を全社導入

  • 課題
    全社規模で多様化・複雑化する業務において、情報検索、資料作成、アイデア出しなどの効率化が求められていた。また、機密情報を含む社内データを安全に活用できるセキュアな生成AI利用環境の構築が急務だった。
  • 活用方法
    全従業員約3万人向けに、社内データと連携可能でセキュリティが確保された生成AI活用基盤「Alli LLM AppBuilder」を導入。従業員はチャットでの情報検索・議事録要約・文書作成補助・翻訳・コード生成など、各自の業務に応じたAIアプリの利用を開始した。
  • 効果
    情報収集や資料作成にかかる時間が短縮され、従業員の作業効率が向上。また、定型的な業務が効率化されたことで、企画や改善提案など、よりクリエイティブな仕事に時間を割けるようになった。

参考:https://blog-ja.allganize.ai/case_docomo/

株式会社サーキュレーション:従業員主導で生成AIアプリを開発

  • 課題
    従来のトップダウン型のツール導入では、現場の細かなニーズに完全に応えきれない、あるいは導入までに時間がかかるといった課題を抱えていた。また、従業員自身が日々の業務で感じる課題を、自らの手でAIを活用して解決できる仕組みを構築する必要があった。
  • 活用方法
    プログラミング不要でAIアプリを開発できるプラットフォーム「Alli LLM AppBuilder」を導入。従業員自身が、「会議の議事録を自動で要約するアプリ」「顧客への提案メールの文面を補助するアプリ」「特定の業界動向をリサーチするアプリ」など、多種多様なAIツールを自ら開発・活用している。
  • 効果
    現場の具体的なニーズに基づいた業務効率化が迅速に進むとともに、従業員のAIに対する理解と活用スキルが向上。ボトムアップでのDX推進文化が醸成され、組織全体の生産性向上に繋がった。

参考:https://blog-ja.allganize.ai/case_circulation/

三井住友海上火災保険株式会社:事故対応に生成AIの文章要約技術を導入

  • 課題
    損害保険の事故対応において、顧客との電話応対記録が長文になることが多く、担当者が内容を把握するのに時間を要していた。これが保険金支払い査定などの業務を遅らせる一因になっていた。
  • 活用方法
    NECの日本語LLM「cotomi」を活用し、音声認識でテキスト化された長文の対話記録を自動で要約するシステムを導入。担当者は、このAI生成の要約を読むことで、事故の状況・顧客の要望・重要な確認事項などを短時間で効率的に把握することが可能に。
  • 効果
    対話記録の確認時間が大幅に削減され、事故対応プロセス全体のスピードアップを実現。情報把握の精度向上と迅速化により、保険金支払いサービスの質が向上し、担当者の業務負荷軽減にも繋がった。

参考:https://jpn.nec.com/press/202405/20240527_01.html

富士通株式会社:平均処理時間89%削減、平均処理後時間86%削減の大幅改善

  • 課題
    Salesforce運用保守サービスにおいて、顧客からの問い合わせ対応時に、オペレーターが膨大なナレッジから関連情報を探し出すのに時間がかかっていた。また、回答の質や時間に個人差が生じやすい点も課題。
  • 活用方法
    自社で展開する「Salesforce向け生成AI活用支援サービス」の技術を応用したシステムを構築。
    過去のナレッジを学習させた生成AIが、ユーザーからの問い合わせ内容を自然言語で理解し、関連性の高い過去事例や参照すべきドキュメントを瞬時に特定。この情報に基づいてオペレーター向けの回答案が自動生成されるように。
  • 効果
    オペレーターの情報検索・回答作成時間が劇的に短縮され、問い合わせ対応の平均処理時間を89%、さらに対応後の記録作業などを含む平均処理後時間を86%も削減することに成功。迅速かつ質の高いサポート提供が可能となり、顧客満足度の向上にも繋がった。

参考:https://www.fujitsu.com/jp/services/application-services/enterprise-applications/crm/salesforce/offering/generative-ai/

LLMの導入・活用を成功させるポイント

LLMの導入・活用を成功させるポイント

LLMの導入・活用を成功させるポイントは、以下の3つです。

  • 解決したい課題や目標KPIを明確にする
  • スモールスタートで始める
  • 現場スタッフへの事前説明を丁寧に行う

それぞれ詳しく解説します。

解決したい課題や目標KPIを明確にする

まず、LLMの導入によってどのような業務課題を解決したいのか明確にしましょう。
例えば、「顧客からの問い合わせ対応の効率化」「報告書作成の自動化による作業時間短縮」など課題を具体的に挙げていきます。

また、導入後の成果を測るために「対応時間」「エラー発生率」「対応可能な業務件数」などのKPI(重要業績評価指標)を事前に設定しておくのがおすすめです。

スモールスタートで始める

いきなり全社規模で導入するのではなく、まずは「特定の部署」や「限定された業務範囲」からスモールスタートを切りましょう。
まずはPoC(概念実証)で効果を確認し、次に一部でテスト導入、そして全社展開へと段階的に進めることで、リスクを抑えつつ着実に導入を進められます。

特に、導入効果が測定しやすく、かつ効率化によるメリットが大きい業務(繰り返し作業が多い業務、情報検索に時間がかかる業務など)から試すと、費用対効果が高くなりやすいです。

現場スタッフへの事前説明を丁寧に行う

LLMに限らず、新しい技術を突然導入すると、現場スタッフは変化に戸惑い、不安や抵抗を感じるものです。そのため、導入前に時間をかけて丁寧に、「導入の目的」「具体的な使い方」「得られるメリット」を伝える必要があります。

特に、LLMの導入は「AIに仕事を奪われるのではないか?」という不安が出やすいのが特徴。「業務を支援するツールである」という点を明確に伝え、社員のLLMに対する理解を深めておくと良いでしょう。

まとめ

ここまで、国内企業のLLM導入事例とその内容に加え、LLMの導入・活用を成功させるポイントをご紹介してきました。LLMを導入すると、業務効率化による生産性向上やコスト削減など、様々なメリットがあります。

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