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公開日:2025/06/30

Terraform 導入事例8選!Terraformの導入で気を付けるべきポイントと合わせて解説

Terraform 導入事例8選!Terraformの導入で気を付けるべきポイントと合わせて解説

HashiCorpが提供するInfrastructure as Code(IaC)ツールであるTerraformが近年広く活用されています。

本記事では、Terraformの導入事例や導入に気をつけるべきポイントについて解説します。

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Terraformの導入で気を付けるべきポイント

Terraformの導入で気を付けるべきポイント

Terraformの導入で注意するポイントについてはどのようなポイントは下記があげられます。

  • 状態管理(State)の取り扱いに注意する
  • チーム運用時のコード管理と運用ルールの整備
  • Terraformのバージョン管理とモジュールの互換性チェック

状態管理(State)の取り扱いに注意する

Terraformでは、管理しているリソースの現在の状態を表すtfstateファイルがあります。
Terraformの状態ファイルは、管理対象インフラの構成を記録する重要な要素です。不適切な管理は、不整合、セキュリティリスク、破損による復旧困難を招きます。

対策として、リモートバックエンド(Terraform Cloud、S3等)を利用し、状態を安全に共有・管理、同時編集を防ぐロック機能を活用しましょう。機密情報は状態ファイルに直接記述せず、Secrets Manager等で管理を。定期的なバックアップも重要です。

状態ファイルへのアクセス制御を徹底し、必要最小限の権限に留めます。適切な状態管理は、安全かつ安定的なTerraform運用に不可欠です。初期段階から堅牢な管理体制を構築しましょう。

そのため、リモートバックエンドでの安全な管理が必要です。

チーム運用時のコード管理と運用ルールの整備

Terraformをチームで効率的かつ安全に運用するには、事前のコード管理と運用ルールの整備が肝要です。複数人で同一構成を扱う際、可読性と保守性を高めるため、命名規則やディレクトリ構成の統一は必須となります。

PlanとApplyの担当者を明確に分け、レビュー体制を構築することで、意図しない変更や潜在的なリスクを低減できます。terraform fmtによるコード整形やLinterの導入で品質を維持し、Gitなどのバージョン管理システムで変更履歴を追跡しましょう。

ステートファイルの保管場所とアクセス権限を適切に管理し、ロック機能を活用することも重要です。これらのルールを初期段階で策定し、チーム全体で共有・遵守することで、長期的な運用効率と安定性が向上します。

Terraformのバージョン管理とモジュールの互換性チェック

チームでTerraformを運用する際、コード管理に加え、バージョン管理とモジュール管理が重要です。Terraform本体やプロバイダーのバージョン差異はエラーの要因となるため、.terraform-version等で固定化し共有しましょう。アップグレード時の事前検証も必須です。

社内モジュール管理では、セマンティックバージョニングによるバージョン管理、明確なドキュメント化、Private Registry等による安全な共有方法の確立が重要です。モジュールの品質保証のため、テストも実施しましょう。

これらの対策により、チーム全体で一貫したコードを維持し、バージョンによるトラブルを避け、効率的なモジュール再利用を促進できます。

Terraformの導入事例8選

Terraformの導入事例8選

①横河電機株式会社

グローバル展開する横河電機は、開発環境効率化とDevOps推進のためTerraformを導入。OSS版でマルチクラウドに対応するも、チーム利用での実行環境管理やサポート体制に課題を感じ、Terraform Cloudへ移行しました。

Cloud移行により、実行環境構築・管理工数を大幅削減。GitHub連携による自動実行も実現し、効率化を推進。公式サポートによる安心感に加え、コスト推定機能でクラウド導入前のコスト検証が可能となり、最適化にも貢献しています。

チーム内ではモブプログラミングでIaCスキルを向上。今後の展望として、セキュリティポリシー強化、Self-hosted Agent活用、Vault連携を計画。SlackやGitHub等のSaaS管理コード化や、自社製品提供のためのカスタムプロバイダー開発にも意欲的です。

参考:https://enterprisezine.jp/article/detail/15955?p=2&anchor=0

②トヨタ自動車株式会社

トヨタ自動車はモビリティカンパニーへの転換に向け、クラウド活用を本格化。各部署個別構築による環境構築の遅延とセキュリティ・開発環境の不均一性を課題とし、2022年にCCoEを設立、社内標準クラウド基盤「TORO」を構築しました。

AWSとTerraformをベースとしたTOROにより、セキュリティ設定済みのクラウド環境を申請から最短2時間、通常2営業日で提供可能に。Terraformの採用はIaCの大規模展開を加速し、HashiCorpのHCP Terraform活用で実行環境管理が不要となり、開発者体験とセキュリティを両立。セキュリティ設定工数を約96%削減する効果も実現しています。

参考:https://enterprisezine.jp/article/detail/17144

③株式会社がまかつ

がまかつは、基幹システムリプレイスに伴い、システム内製化を目指しTerraformを導入しました。クラスメソッドがシステムアーキテクチャ設計・運用を支援し、IaC設計レビューやTerraformのペアプログラミング会を実施。これにより、AWSを用いたインフラ環境の内製化を効率的に進めています。Terraformの導入により、インフラ構築・変更作業の自動化、迅速化、標準化を実現し、人的ミスの削減や運用コストの最適化に貢献しています。内製化により、変化の激しいビジネス環境に柔軟に対応できる体制を構築し、競争力強化に繋げています。

参考:https://classmethod.jp/cases/gamakatsu/

④東京ガス

東京ガスは、会員サイト「myTOKYOGAS」のフロントエンド開発において、インフラ構築にTerraformを積極的に活用しています。内製開発チーム主導で、クラウドネイティブなアーキテクチャを採用し、Amazon EKS上のマイクロサービスプラットフォームを構築する基盤として、Terraformが重要な役割を担っています。

Terraformの導入により、インフラのコード化(IaC)を実現し、手作業による煩雑な環境構築を自動化・迅速化。構成管理の効率化と標準化を推進し、人的ミス削減と運用コスト最適化に貢献しています。Kubernetesなどの技術と組み合わせることで、変化の速いビジネス環境への柔軟な対応力を高め、顧客への迅速なサービス提供と事業成長を支える体制を構築しています。内製化による技術力向上も図り、Terraformを中核としたDevOps文化の醸成を目指しています。

参考:https://tech-blog.tokyo-gas.co.jp/entry/2024/04/16/120139

⑤GROOVE X株式会社

GROOVE Xは、家族型ロボット「LOVOT」を開発・販売する企業です。同社は、クラウド環境の構築と運用にTerraformを導入し、インフラ構築作業の効率化と標準化を推進しています。

Terraformを活用することで、AWSなどのクラウドプラットフォーム上に必要なインフラリソースをコードとして定義し、管理しています。これにより、手作業による設定ミスを削減し、一貫性のあるインフラ環境を迅速に構築することが可能になりました。また、インフラの変更履歴をバージョン管理システムで追跡できるため、変更管理の自動化やロールバックが容易になり、運用効率の向上に貢献しています。

さらに、TerraformとCI/CDパイプラインを連携させることで、インフラの変更をアプリケーション開発と同様のプロセスで管理し、テストとデプロイを自動化しています。これにより、開発チームはインフラの構築や管理に時間を取られることなく、LOVOTの機能開発に集中できる環境が実現し、開発速度の向上に繋がっています。

参考:https://tech.groove-x.com/entry/cloud-terraform-zero

⑥東京エレクトロンデバイス株式会社

株式会社エレクトロンテルデバイスは、AWS環境構築にTerraform Enterprise版を導入し、IaC(Infrastructure as Code)を実現しました。複数チームでの安全なインフラ管理と自動化を推進し、構成ドリフトの防止、変更管理の効率化、セキュリティ強化に貢献しています。

Terraform Enterprise版の機能により、大規模なインフラを効率的に管理し、人的ミスを削減、運用コストの最適化にも成功しています。

参考:https://cn.teldevice.co.jp/blog/p47441/

⑦イオンスマートテクノロジー株式会社

イオンスマートテクノロジーは、iAEONプラットフォームの開発においてTerraformとHCP Terraformを活用し、インフラのコード化を推進しています。これにより、インフラ構築の内製化、自動化、標準化を実現し、開発効率を向上させています。

HCP Terraformの導入により、実行環境の管理負荷を軽減し、開発者はインフラ構築に注力できるようになりました。

参考:https://engineer-recruiting.aeon.info/aeon-tech-hub/event-report_CloudNativeWeek2024W

⑧株式会社ROUTE06

株式会社ROUTE06は、GitHubの管理にTerraformを導入し、IaC(Infrastructure as Code)を実現しました。これにより、インフラ設定をコードとして管理し、設定変更の履歴を明確化、誤った設定によるトラブルを防止しています。

全社的にGitHubを使用しているため、GitHubの管理をTerraformで行うことで、設定変更時のミスを削減し、変更履歴を追跡可能にしました。また、ワークフローの透明性と生産性向上を目指しています。

参考:https://tech.route06.co.jp/entry/2024/10/18/153755

まとめ

ここまで、国内企業のTerraformの導入事例とその内容に加え、Terraform導入の注意点などを紹介してきました。

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