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公開日:2024/06/27

SAP導入にかかる費用相場は?導入の流れや事例について解説

SAP導入にかかる費用相場は?導入の流れや事例について解説

「SAPを導入したいけれど、費用相場はどれぐらいなのだろうか…?」「少しでも費用を安く抑えたい…」とお悩みを抱えていませんか?そのような方向けに、本記事ではSAP導入にかかる費用相場を中心にご紹介します。

本記事を読めば、SAP導入費用を安く抑えたり、費用を支払って得られる効果が理解できたりします。SAP導入を検討している方は、読んでみてください。

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SAP導入の費用相場

SAP導入の費用相場

SAP社が提供しているERPにはパッケージタイプとクラウドタイプがあります。

パッケージタイプSAP ECC
SAP S/4HANA
SAP Business ByDesign
SAP Business One
クラウドタイプSAP S/4HANA Cloud
RISE with SAP
GROW with SAP

SAP導入費用は高いと言われています。SAP導入の費用相場は業種や従業員数、ユーザー数などで変動します。パッケージタイプの場合は従業員数300名程度の中小企業でも5,000万円/回は必要です。
従業員数1,000人以上になれば、最低でも1億円/回は 必要となります。クラウドタイプは、最低でも中小企業の場合300万円/月、大企業の場合は1,000万円/月が必要となります。

SAP導入費用の内訳

SAP導入費用の内訳

SAP導入費用の内訳は大きく4つに分類できます。

【SAP導入費用の内訳】

  • ハードウェア(オンプレミス型サービスまたはクラウド型サーバー)費用
  • ソフトウェアライセンス費用
  • アドオン開発費用
  • サポート費用

ここでは、それぞれの費用について詳しく解説します。

サーバー

サーバーはオンプレミス型とクラウド型の2種類から選べます。それぞれの特徴(メリット・デメリット)理解した上で、自社に見合うサーバーを選ぶようにしましょう。

オンプレミス型

オンプレミス型サーバーとは、自社の施設の構内にサーバーを設置して運用することをいいます。そのため、自社運用と呼ばれるケースも多いです。

自社運用型のため、自社に合わせてセッティング、カスタマイズできることがメリットです。
その一方で、サーバーを設置してしまうとサーバーのスペック変更がしにくくなることがデメリットです。
(※オンプレミス型サーバーの費用は、サーバースペックにより変動します。)

クラウド型

クラウド型サーバーとは、インターネット上に構築されたサーバーを利用することをいいます。インターネット上に構築されたサーバーのため、自社に合わせてセッティングやカスタマイズはしにくいことがデメリットです。

しかし、サーバー費用を安く抑えられたり必要な容量に合わせて柔軟に拡張できたりなどのメリットもあります。
(※クラウド型サーバーの費用は、サーバースペックや容量により変動します。)

ライセンス

ライセンス費用とは、SPAの使用するソフトウェアライセンス費用です。
また、付帯サービスのETLツール SAP Data ServicesやSAP BusinessObjects Business Intelligenceのソフトウェアライセンス費用が含まれます。

また、SPA社のソフトウェアではなく、他の会社のソフトウェアライセンス代金もこちらに含まれます。RPAを導入する方が多いです。ライセンス費用は、ライセンス数で変動します。

サポート

SAPを導入する際は、要件定義からリリースまでベンダーにサポートしてもらう必要があります。

つまり、サポート代金は、ベンダーに支払うサポート料金です。コンサルティング・ABAP開発・運用保守などをお任せする際にサポート代金がかかり、どこまでお任せするかで費用が変動します。

機能開発

SPAに拡張機能を付けてもらう場合は、機能開発費(アドオン設計代金・開発費用・テスト費用)が必要です。自社業務に必要な機能をソフトウェアに搭載してもらうために、ベンダーに開発を依頼しなければいけません。どのような機能を開発するかで費用は変動します。

SAP関連職種の人月単価

SAP導入の費用相場

SAP導入費用はピンからキリのため計算しにくいです。

しかし、SAPのサポート代金や開発代金は計算できます。

なぜなら、SAPのソフトウェア代金とサーバー代金以外は基本的に人件費のためです。1ヶ月に何人のエンジニアが稼働するかで、1ヶ月当たりの費用が計算できます。

人月単価の考え方

人月単価とは、エンジニア1人が1ヶ月稼働した場合の単価のことです。

例えば、人月単価80万円の場合、1ヶ月間にエンジニアへ80万円を報酬として支払うことになります。

人月単価はエンジニアの保有スキル、所属する企業などにより変動します。一般的にエンジニアのスキルが高いほど、人月単価は高くなる傾向です。

つまり、(1ヶ月に稼働するSAPコンサルタント×人月単価)+(1ヶ月に稼働するSAPエンジニアの×人月単価)で、サポート代金や開発代金は計算できます。

SAPコンサルタントの人月単価

SAPコンサルタントの人月単価は120~200万円です。1年間のSAPコンサルの経験があれば、人月単価120~150万円でオファーがもらえます。更にSAPの現場に必要なスキルを磨けば、人月単価130~200万円に届きます。

とりわけ高単価案件の条件に該当すれば、人月単価300万~400万円というケースも多いです。

つまり、SAP導入前にコンサルを受けたい場合は、それなりの費用を確保しておく必要があります。

SAPエンジニアの人月単価

SAPエンジニアの人月単価は90~120万円です。

しかし、5年以上の経験年数を持つSAPエンジニアの人月単価は200万円を超えます。基本的に経験年数が長く、開発現場に必要な能力を持っているほど、人月単価は高くなります。

SAPを導入するメリット

SAPを導入するメリット

SAP導入には莫大な費用がかかりますが、一定数の企業が導入しています。

なぜなら、SAPを導入するメリットは3つあるためです。

業務プロセスの標準化

SAPは世界中で導入されているグローバルスタンダードな基幹システムERPとして認知されています。世界標準の業務プロセスに合わせて開発されているソフトウェアです。

そのため、SAP導入時には業務プロセスの見直しを行う企業が多く、それにより業務プロセスが標準化できるという効果が期待できます。DX推進の一環で、社内システムをSAPに切り替えるというケースも多いです。

データの一元管理

SAPは社内全体の情報を一元管理するERPです。会計管理や生産管理、人事給与管理、在庫購買管理、販売管理などのデータを一元管理することで、部門間のデータ共有が簡単に行えるようになります。

例えば、商品の販売実績を登録した場合、在庫部門の個数や会計部門の帳票にデータが自動で反映されます。

つまり、データの一元管理による業務効率化を図ることが可能です

作業履歴の可視化

SAPを導入すると業務管理が行いやすくなります。

なぜなら「誰が・いつ・何をしたか」を作業履歴で確認できるためです。

例えば、伝票データを入力する際はユーザーIDが紐づかれるため、誰が作業したか履歴で残ります。そのため、不正なデータ入力や改竄を起きたときに、問題を特定しやすくなります。

SAP導入の流れ

SAP導入の流れ

SAPを導入する際の流れは8STEPです。

  1. 導入目的を明確にする
  2. ベンダー・製品選定
  3. RFI(情報提供依頼書
  4. RFP(提案依頼書)
  5. 要件定義
  6. 設計・開発
  7. テスト
  8. リリース・運用

ここでは、それぞれのステップについて詳しく解説します

導入目的を明確にする

まずは、SAP導入目的を明確にしましょう。企業にどのような課題があるのか、将来的にどのような姿になりたいのかを考えながら目的を明確にします。

一般的に、グローバルスタンダードな基幹システムERPとして認知されており、導入時に業務プロセスの見直すことで業務の平準化ができます。

そのため、SAPに合わせて自社の業務プロセスを改革したいという企業が導入するケースが多いです。

社内のすべての課題をSAPで解決できるわけではありません。

SAPが最適なのかどうかを考えましょう。もし、SAPを導入すべきか悩んだら、このタイミングでコンサルティングを受けることをおすすめします。

ベンダー・製品選定

SAP導入を自力で行うのは、ほぼ不可能のため、大抵の場合はベンダーに導入支援してもらうことになります。

ベンダーを選定する際は、自社が抱えている課題を解決した実績を持つベンダーを選ぶと上手くいきやすいです。
企画構想から運用保守まで一貫して対応可能なベンダーであれば、導入後のサポートまで行ってくれて安心できるでしょう。

そのため、導入実績やフォロー体制をよく確認しておきましょう。

RFI(情報提供依頼書)

次にRFI(情報提供依頼書)を作成します。RFIに記載するのは5項目です。

SAP導入の目的や趣旨
SAP導入支援の依頼先の情報
ベンダー企業の基本情報
ベンダー企業が提供するサービスや製品情報
ベンダー企業が提供する製品の要件

RFIを作成することで、簡易的なスクリーニングが行えます。どのベンダーに依頼すべきか客観的に考えられるようになります。

RFP(提案依頼書)

次にベンダー側からRFP(提案依頼書)を出してもらいます。複数のベンダーからRFPを受け取り、どこに依頼するのかを決めましょう。自社にとって最適な提案をしてくれた会社を選ぶようにしましょう。RFPを受け取ることで、発注側と受注側の認識ズレがなくなり、スムーズにシステム開発が行えるようになります。

要件定義

ベンダーを決めたら、要件定義に入ります。要件定義とは、システム開発に入る前に、要求を伝えて、どのような機能を搭載すべきかなどをわかりやすくまとめる作業をいいます。理想のERPを実現するために、具体的にどのような方向性・手順でシステムを構築していくのか、誰が見ても理解できるようにまとめる作業です。

設計・開発

要件定義を定めたら、一定の品質を保つSAP開発、導入するために設計図を描きます。設計とは、SAP導入の要件を守れるように大元になる図面を起こす作業です。

そして、設計図を元にSAPをカスタマイズしていきます。SAPのカスタマイズはアドオンと呼ばれる追加機能開発により行われます。

テスト

SAPの設計・開発を終えたら、テストに入ります。単体テスト、結合テスト、総合テストを行い、プログラムがきちんと稼働するか、業務中にバグやエラーを起こさないかなどのテストをはじめ、問題なく導入できるかを確認します。

リリース・運用

テストに問題がなければ、SAPを導入して運用していきます。SAP導入後は、どのように操作
するのかサポートを受ける必要があります。また、SAP利用中にバグやエラーを見つけることもあるでしょう。このような場合はベンダーに連絡してサポートしてもらうことになります。

SAPの導入事例

SAPの導入事例

SAPを導入した企業では、どのような効果が見込めているのでしょうか?ここでは、SAPの導入事例をご紹介します。

株式会社テリロジー:商品戦略の強化へ

株式会社テリロジーは、ハードウェアやソフトウェア、サービスまで幅広くビジネスを展開している会社です。

サビスク型ビジネスが伸長し、既存の基幹システムでは対応が追い付かなくなりました。更新のたびにOSのアップデート作業が必要など、大きな負荷になっていたため、SAPを導入しました。社内データを一元管理することで、受注伝票の登録や出荷・売上処理にかかる時間が半減するなど作業不可を大幅に削減することができました。
また、プロダクト別の実質収益等のデータが可視化され、商品戦略への反映が可能となりました。SaaS型クラウドERP「SAP® Business ByDesign®」を利用したことで、コスト削減にも成功しています。

〈参考資料〉SAP BusinessByDesign 株式会社テリロジー様

株式会社三技協:情報システム部門の業務負担

株式会社 三技協様は、1990年代からSAPを利用していましたが、クイックに移行できて機能を拡張できる最新版のクラウド版、SAP S/4HANA Cloud, private editionへ移行しました。なぜなら、数十年が経過して自社ビジネスが大きく成長したためです。

表計算ソフトを使用した間接業務の量が増えて、SAP運用に課題が発生したいたのです。課題
を洗い出して、間接業務を効率化できるように開発した結果、原価計算や各種レポートの実行にかかる処理時間を1/3程度に削減できました。

また、クラウドに移行したことで、バックアップやシステムシャットダウンの作業も不要になり、情報システム部門の業務負担が軽減できました。

〈参考資料〉HITACHI SAP S/4HANA マイグレーションサービス 株式会社三技協様

ヤマサ醤油株式会社:業務の属人化を解消

ヤマサ醤油株式会社は醤油や昆布つゆなどの製品を手掛ける食品メーカーです。

日本国内における醤油の消費量が減少傾向にある一方で、海外の工場での生産量は年々増えており、グルーバル化への対応が重要だと捉えていました。グローバル展開する中で、経営判断に必要な情報を取得するのに時間がかかっていたことに悩み、迅速な業績把握およびデータ分析で経営判断を高度化するために、SAP S/4HANAを導入しました。

その結果、各業績データについてはグラフや表など様々な形で可視化することができ、経営層から現場までそれぞれが迅速な意思決定が行えるようになりました。

〈参考資料〉TECNOS JAPAN Group 導入事例 ヤマサ醤油株式会社様

まとめ

SAPを導入すれば、業務プロセスを効率化することが可能です。

しかし、SAP導入費用は高いと言われています。SAP導入の費用相場は業種や従業員数、ユーザー数などで変動します。従業員数300名程度の中小企業でも5,000万円必要です。従業員数1,000人以上になれば、最低でも1億円必要となります。

また、導入後もサポート代金が必要です。そのため、少しでも費用を安く抑えたいという方はベンダーではなく業務委託に開発や運用・保守をお任せすることをおすすめします。
エッジワークにはSAPのプロ人材が多数在籍しているため、ぜひ業務委託の活用を検討している方は、お気軽にお問い合わせください。

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