近年では業務の自動化や生産性の向上を目的として、音声認識システムを導入する企業が増えています。またAIの進化によって導入するハードルが低くなっており、コンタクトセンターのシステム構築や多言語翻訳、オンライン学習のサポートなど様々な用途で利用されています。
しかし、音声認識システムを自社で用意したり新しく開発したりするのは困難であることから、専門の会社に外注するケースが多く見られます。そこで本記事では、音声認識の開発が得意なシステム開発会社を10社厳選した上で、それぞれの会社の得意な分野や導入実績などについてご紹介します。また外注する際のポイントについても詳しく解説しますので、ぜひご覧ください。
音声認識の開発が得意なシステム開発会社10選
音声認識システムの開発において自社に必要なリソースがない場合には、専門の会社への依頼を検討する必要があります。そこで音声認識の開発が得意なシステム開発会社の中から、おすすめの10社を厳選してご紹介します。
- 株式会社アドバンスト・メディア
- エス・アンド・アイ株式会社
- Hmcomm株式会社
- 株式会社ATR-Trek
- 株式会社アニモ
- 株式会社フュートレック
- 株式会社レゾナント・システムズ
- 株式会社サインウェーブ
- ティ・アイ・エル株式会社
- クリエートシステム開発株式会社
それぞれの会社の詳細や概要について詳しく解説しますので、ぜひご覧ください。
株式会社アドバンスト・メディア
株式会社アドバンスト・メディアは25年以上にわたる研究の結果、開発した独自のAI音声認識システム「AmiVoice」を開発した会社であり、製造や建設、コンタクトセンターなど幅広い業種で採用されています。AmiVoiceは企業のニーズに合わせて機能を設定できる点が魅力であり、コンタクトセンター向け国内シェアNo.1の実績を誇っています。
・会社概要 | |
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会社名 | 株式会社アドバンスト・メディア |
本社所在地 | 〒170-6042 東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60 42階 |
代表者名 | 鈴木 清幸 |
従業員数 | 224名 |
設立年月日 | 1997年12月 |
資本金 | 69億3,031万円 |
サービス内容 | 議事録・書き起こし、コンタクトセンター、開発向けAPI・SDK、商談記録・報告業務、AI対話、マイクデバイス |
実績・導入企業数 | エコー電子工業株式会社 ポップアップ字幕機能の活用 風越建設株式会社 AI音声認識アプリと専門人材の派遣サービスの利用 阪急電鉄株式会社 全線主要駅に多言語アナウンスサービスを導入 |
エス・アンド・アイ株式会社
エス・アンド・アイ株式会社はAIを活用した様々なソリューションやクラウドサービスを提供している企業であり、クライアントが求めるシステムの構築だけでなく、運用も行っています。またコンタクトセンター向け応対支援も充実しており、音声認識サービス「AI Dig for Voice」や応対品質管理支援サービス「AI Log」によって、会話内容のテキスト化や問題点の抽出を自動化している点が特徴です。
・会社概要 | |
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会社名 | エス・アンド・アイ株式会社 |
本社所在地 | 〒105-0003 東京都港区西新橋1-7-14 京阪神 虎ノ門ビル |
代表者名 | 藤田 和夫 |
従業員数 | 245名(2024年7月1日時点) |
設立年月日 | 1987年7月31日 |
資本金 | 4億9,000万円 |
サービス内容 | 音声認識サービス「AI Dig for Voice」の提供、応対品質管理支援サービス「AI Log」の提供、コンタクトセンター向けの応対支援、コンタクトセンター向けPC「ThinBoot ZERO」の導入サポート |
実績・導入企業数 | 東京都庭園美術館 情報通信基盤の整備 東京都教育委員会 すべての都立学校におけるオンライン学習基盤の構築 パーソルワークスデザイン株式会社 フルクラウド型のコンタクトセンター基盤である「Genesys Cloud CX」の導入 |
Hmcomm株式会社
引用:Hmcomm株式会社
Hmcomm株式会社はAIと音声解析技術を掛け合わせた開発事業をメインとしており、「AI異音検知」「AI音声認識」「AI活用コンサルティング」の3つのソリューションを提供しています。産業技術総合研究所で開発されたAIプラットフォーム「THE VOICE JP」を基盤としていることから、最先端の音声認識技術を取り入れたシステムを構築しています。
・会社概要 | |
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会社名 | Hmcomm株式会社 |
本社所在地 | 〒105-0012 東京都港区芝大門2-11-1 富士ビル 2階 |
代表者名 | 三本 幸司 |
従業員数 | 47名 |
設立年月日 | 2012年07月24日 |
資本金 | 9,000万円 |
サービス内容 | AI音声認識・自然言語解析、AI異音検知、AI活用コンサルティング |
実績・導入企業数 | 東京海上インターナショナルアシスタンス株式会社 既存のAVAYA音声基盤とLINE株式会社が提供するLINE to Callサービスを接続する基盤の構築 株式会社協和 オフライン注文におけるリアルタイムの全文テキスト化と構造化データの自動取得システムの構築 テックウインド株式会社 自動議事録作成システムの導入によって、議事録作成時間を1/5に短縮 |
株式会社ATR-Trek
引用:株式会社ATR-Trek
株式会社ATR-Trekは後述する株式会社フュートレックと株式会社ATR-Promotionsの合弁会社であり、音声認識システムのパイオニアである国際電気通信基礎技術研究所(ATR)の技術を基盤として研究を行っています。開発した技術は基本的に株式会社フュートレックで製品化されるため本社は研究に特化しており、先進的な技術の追求を理念として掲げています。
・会社概要 | |
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会社名 | 株式会社ATR-Trek |
本社所在地 | 〒532-0011 大阪市淀川区西中島6-1-1 新大阪プライムタワー18F |
代表者名 | 深田 俊明 |
従業員数 | – |
設立年月日 | 2007年5月31日 |
資本金 | 6,000万円 |
サービス内容 | 音声認識技術の開発、音声合成技術の開発、言語翻訳 |
実績・導入企業数 | ダイキン工業株式会社 空調製品製造業務向け「日中音声翻訳システム」の実証実験 住友ゴム工業株式会社 海外工場でのタイヤ製造業務向け「音声翻訳システム」の導入 |
株式会社アニモ
引用:株式会社アニモ
株式会社アニモは専門性の高い業種への音声認識システムに強い企業であり、言語聴覚士向けの音声障害を分析するソフトウェアや溶接業で使われるノズルチップの劣化を音響振動分析で確認するシステムなどを開発しています。公開している主要取引先が80社を超えており、国立の研究機関や大企業にもシステムを提供している実績から、高い信頼性を誇る企業といえるでしょう。
・会社概要 | |
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会社名 | 株式会社アニモ |
本社所在地 | 〒231-0015 神奈川県横浜市中区尾上町2-27大洋建設関内ビル 4F |
代表者名 | 服部 一郎 |
従業員数 | 40名 |
設立年月日 | 1994年8月5日 |
資本金 | 2億7,100万円 |
サービス内容 | 通話録音システムの導入支援、コンタクトセンター業務の自動化、音響設備の状態可視化、音声認識や認証システムの導入、音声の合成や加工、音声や音響の分析 |
実績・導入企業数 | 国立研究開発法人科学技術振興機構 戦略的創造研究事業・共生社会に向けた人間調和型情報技術の構築 横浜市 言語聴覚士向け神経筋疾患による音声障害の分析ソフトウェアの開発 日本溶接協会 造船業などで利用されるNCプラズマ溶断機で利用するノズルチップの劣化状態の可視化 |
株式会社エーアイ
引用:株式会社エーアイ
株式会社エーアイと合併した会社である株式会社フュートレックは音のAI識別や収録、AI学習までワンストップで提供している会社であり、音声認識を応用して議事録の書き起こし支援やリアルタイムの翻訳などのシステムを開発しています。クライアントのニーズに合った音声認識システムを構築できるため、幅広い業種の企業から開発を依頼されている実績があります。
・会社概要 | |
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会社名 | 株式会社エーアイ |
本社所在地 | 〒113-0024 東京都文京区西片1-15-15 KDX春日ビル7・10F |
代表者名 | 廣飯 伸一 |
従業員数 | – |
設立年月日 | 平成15年4月1日 |
資本金 | 1億円(2023年6月現在) |
サービス内容 | 音声合成エンジン及び音声合成に関連するソリューションの提供 |
実績・導入企業数 | 株式会社議事録発行センター 書き起こし支援アプリ「OtoNote」「OtoNoteSpeaker」の開発支援 株式会社ロゼッタ リアルタイム音声翻訳・文字起こしツール「オンヤク」の開発支援 ユニロボット株式会社 AI電話サービス「unirobot cloud」の開発支援 |
株式会社レゾナント・システムズ
株式会社レゾナント・システムズは音声データの作成や音声案内システムの販売などを行っている企業であり、バスの音声合成放送装置やドライブレコーダーなどに採用されています。そのため、開発した音声認識システムや音声データは、遊園地などの行楽地や個人のドライブなど幅広い場面で利用されています。
・会社概要 | |
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会社名 | 株式会社レゾナント・システムズ |
本社所在地 | 〒230-0051 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央4-34-26 鶴見千代田ビル |
代表者名 | 近藤 真子 |
従業員数 | 124名(2024年4月1日現在) |
設立年月日 | 1952年12月12日 |
資本金 | 2,500万円 |
サービス内容 | 音声データの作成、音声案内システムの設置、音声案内の翻訳、音声案内の自動化 |
実績・導入企業数 | 富士急ハイランド 富士芝桜まつり事務局 富士急行株式会社 |
株式会社サインウェーブ
引用:株式会社サインウェーブ
株式会社サインウェーブは、主に英語の学習をサポートするAIやアプリを開発しており教育に特化した音声認識システムを運用している企業です。学生の学習支援を積極的に行っていることから、中学や高校で広く導入されています。またTOEIC対策に役立つサービスも提供していますので、社会人にも利用されています。
・会社概要 | |
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会社名 | 株式会社サインウェーブ |
本社所在地 | 〒101-0041 東京都千代田区神田須田町1-3-9 PMO神田万世橋ビル 7F |
代表者名 | 赤池 雅光 |
従業員数 | 30名 |
設立年月日 | 2010年4月 |
資本金 | 1億5,000万円(資本金1億円、資本準備金5,000万円) |
サービス内容 | 主に学生を対象としたAIによる英語学習サポート、ペン型スキャナーによる翻訳や発話、アプリを使った中国語学習のサポート |
実績・導入企業数 | 市原中央高等学校 英検への対策や詳細な情報の配信 淑徳与野中学・高等学校 アプリによる英検の面接練習やオンライン会話を使った自習のサポート 千葉敬愛高等学校 大学入学共通テストへの対策 |
ティ・アイ・エル株式会社
引用:ティ・アイ・エル株式会社
ティ・アイ・エル株式会社は、IoTテクノロジーを用いて生活の安全を保障するソリューションを提供しています。AIやビッグデータの解析を組み入れた高度なアプリケーションを作成しており、代表的なサービスである「あんしんAI音声自動監視アプリ」では音声言語認識技術によって会話から禁止語句などを抽出して、問題が検知された場合にはアラートが伝わるようになっています。
・会社概要 | |
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会社名 | ティ・アイ・エル株式会社 |
本社所在地 | 〒107-0062 東京都港区南青山五丁目12番24号 シャトー東洋南青山B1 |
代表者名 | 藤浪 慧 |
従業員数 | – |
設立年月日 | 2017年10月 |
資本金 | 151 万円 |
サービス内容 | 音声言語認識技術を用いたキーワードの抽出、ビデオ会議における音声テキスト化ツールの導入支援、画像認識技術を用いた積雪状況の自動判別とヒーティングデバイスのコントロール |
実績・導入企業数 | 株式会社アクアライン AIボイスレコーダーの導入 AWL株式会社 新型コロナウィルス対策AIカメラソリューションの共同開発への参画 北海道大学 積雪状態の認識とロードヒーティングの制御 |
クリエートシステム開発株式会社
クリエートシステム開発株式会社は日本語における音声合成の技術が評価されており、ハードウェアからシステムの設計、ソフトウェアの開発までを一貫して行っています。民間企業だけでなく、国立大学などにも開発したシステムが導入されているため、信頼できる企業といえるでしょう。
・会社概要 | |
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会社名 | クリエートシステム開発株式会社 |
本社所在地 | 〒190-0012東京都立川市曙町2-4-4 昭和ビル7F |
代表者名 | 野口 哲夫 |
従業員数 | – |
設立年月日 | 昭和62年5月23日 |
資本金 | 1,000万円 |
サービス内容 | 情報機器の開発および販売、情報機器ソフトウェアの開発および販売、情報機器関連の備品及び消耗品の販売 |
実績・導入企業数 | 中央電子株式会社 富士通株式会社 静岡大学 |
音声認識の開発が得意なシステム開発会社の選び方
音声認識システムを導入する上で開発会社への依頼を検討する場合には、以下の3つのポイントをチェックしましょう。
- 実績が豊富であるか
- 提案力やコミュニケーション力があるか
- 得意な領域が目的と合っているか
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
実績が豊富であるか
システム会社を検討する際には、実績を確認することが重要です。公式サイトや関連ページなどから実績をチェックしましょう。特に公的機関や大企業からの依頼実績がある場合には、信頼性が高いと判断できます。
口コミをチェックする方法もありますが、Webで調べる場合にはソースの信頼性に注意してください。会員制の口コミサイトを利用すれば、利用者のリアルな体験談を確認しやすいのでおすすめです。
提案力やコミュニケーション力があるか
システムの開発や導入を行う場合には、既存のシステムとの相性を考えることが求められます。そのような場合には、システム会社と自社の担当者が入念に相談しなければなりません。
特に新規のシステムを導入する場合やその分野に詳しい人材が自社にいない場合には、システム会社の提案力やコミュニケーション力が重要となります。そのためできるだけ多くのシステム会社に相談して、自社のIT環境を確認して最適な提案を出してくれるところを選びましょう。
また積極的な提案が求められますので、コミュニケーション力も重要です。そのため、自社の担当者とじっくり話し合ってくれる会社を選ぶことをおすすめします。
得意な領域が目的と合っているか
音声認識に特化したシステム開発会社でも、得意な領域は企業によって異なります。例えば、コンタクトセンター向けの業務システム導入などに特化している会社は多いので、通話データの共有による製品の品質向上などが目的である場合にはそのような企業がいいでしょう。
得意な領域は実績だけでなく、開発しているシステムの種類や提供しているソリューションから確認できますので、そちらもチェックしておきましょう。
音声認識の開発の外注を失敗しないためのポイント
音声認識の開発の外注を失敗しないためのポイントには、以下の3つが挙げられます。
- プロジェクトの目的を明確にする
- 予算内に合う提案をしているか
- サポートが充実しているか
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
プロジェクトの目的を明確にする
音声認識におけるシステムは多岐にわたるため、自社のプロジェクトに合ったシステムを扱っている会社を選ばなくてはなりません。そのため、プロジェクト策定時にどのような目的で音声認識システムを導入するのかしっかりと話し合っておきましょう。
またプロジェクトの目的を明確にしておけば、システムの導入後にフィードバックやPDCA、OODAを行いやすくなるメリットもあります。達成すべき内容に対する進捗や管理状況を把握できますので、軌道を修正しやすくなるようにしておけばプロジェクトを達成しやすくなるでしょう。
予算内に合う提案をしているか
システム会社から提案を出してもらうときには、自社の予算内に合うかどうか確認しましょう。あまりにも予算からかけ離れた提案である場合には、他のシステム会社にも提案を出してもらうことをおすすめします。
また相場に合っているかどうか確認するためには、相見積もりが重要です。複数のシステム会社に見積もりを出してもらい、自社が必要なシステム導入にはどれくらいの予算が目安なのか確認しておきましょう。
おおむね依頼する会社が決まったら、担当者と依頼内容について詳しく話し合いましょう。もし予算に合わない場合でも、開発するシステムを適宜修正するなどの対応で解決するケースも見られます。
サポートが充実しているか
依頼する企業のサポート体制を確認する点も重要です。音声認識の分野ではシステムの開発や導入に力を入れているケースが多いですが、万が一の事態に備えてサポートを行ってくれる会社を選ぶといいでしょう。
特にコンタクトセンターでシステムを導入する場合には、サポート体制を厳密にチェックしておきましょう。コンタクトセンターの業務では音声をテキストにしてデータ化した上重要なポイントを自動でピックアップしてくれる機能を持つ製品もあります。そのため、現場だけでなくマーケティングや新規事業開拓など様々な分野に活用できるのです。
将来的な企業成長を健全化するためにも、コンタクトセンターのシステムで障害が発生した場合には迅速に対応してくれる会社を選ぶことをおすすめします。
まとめ
音声認識はAIの進化や企業の技術研究によって、様々なシステムや製品が開発されています。また今後も発展が予測される分野であることから、導入を検討する企業が増加すると思われます。
しかし、音声認識AIは専門性の高さや既存システムとの相性などから、自社だけで導入することは非常に困難です。そのような場合には、音声認識AIのプロフェッショナルが在籍しているエッジワークまでご相談ください。
御社が音声認識AIの導入によって達成すべきプロジェクトなどについて詳しくヒアリングを行った上で、おすすめの音声認識システムを提案します。構築や運用なども含めた総合的なサポートを行いますので、お困りの際にはぜひご連絡ください。WEBサイトやお問い合わせフォームで24時間受付を行っており、詳しく相談したい場合には電話でも対応していますので、ご連絡をお待ちしております。
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