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公開日:2025/05/22

ERP活用事例8選!ERPの基本的な活用方法と合わせて解説

ERP活用事例8選!ERPの基本的な活用方法と合わせて解説

業務効率化や情報管理の精度向上を目指して、ERP(基幹業務システム)を導入する企業が増えています。

しかし、具体的な活用イメージが持てず悩む方も多いのではないでしょうか。本記事では、ERPの基本的な活用方法に加え、実際にERPを導入・活用している企業の事例8選を詳しく紹介します。

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ERPの活用方法について

ERPの活用方法について

ERPは、販売管理や在庫管理、会計処理などの業務を一元管理し、効率化を図るシステムです。ここでは、ERPの代表的な活用方法や部門別の導入メリット、運用ポイントについて紹介します。

業務効率化におけるERPの具体的な活用シーン

ERPを活用することで、在庫管理や受発注処理が自動化され、ミスの防止と業務時間の大幅短縮が実現します。さらに、売上報告書や在庫一覧などの各種帳票も自動生成でき、面倒な報告作業の手間を削減できます。

また、リアルタイムで部門間の情報共有が可能になり、連携ミスや重複作業も防げます。これにより、業務全体のスピードと精度が向上し、従業員はより付加価値の高い業務に集中できるようになります。

部門別に見るERPの導入メリットとは?

ERP導入により、各部門で大きなメリットが得られます。経理部門では伝票入力の自動化や決算処理のスピードアップが可能になります。

人事部門では人材管理や勤怠データを一元化でき、管理業務が効率化します。

さらに営業部門では、顧客データや売上分析を可視化できるため、提案力の向上に直結します。このように、部門ごとの業務改善と連携強化が期待できます。

ERPを最大限に活かすための運用ポイント

ERPを最大限に活用するには、導入後の運用ルールを整備し、従業員への丁寧な教育を行うことが不可欠です。

さらに、データ入力ミスを防ぐためのチェック体制を構築し、正確な情報管理を徹底しましょう。加えて、社内でフィードバック体制を整え、運用中に出た課題を改善するサイクルを回すことで、ERPの効果を持続的に高めることができます。

ERPの活用事例8選

ERPの活用事例8選

ここでは、実際にERPを導入し、業務効率化や業績向上を実現した8つの企業事例を紹介します。各社の導入背景や導入後の効果を詳しく見ていきましょう。

①三菱電機エンジニアリング株式会社

三菱電機エンジニアリング(MEE)は、SAP ERPのバージョンアップを機に、業務プロセス全体の課題を可視化し、抜本的な業務改善を図るため、「SAP Signavio」を導入しました。

富士通の独自分析サービスと組み合わせ、プロセスマイニング技術を活用して現行運用を客観的に評価しました。そして、部門横断的なアセスメントを1カ月で完了し、詳細分析に基づく改善案の作成まで実施しました。

これにより、業務の無駄や非効率を早期に特定できたほか、現場との連携を深めながら、業務改革を円滑に推進できる体制を構築することができました。短期間で成果を出しつつ、今後のDX推進にもつながる基盤整備を実現しています。

参考:https://global.fujitsu/ja-jp/customer-stories/cs-mee-20241206

②富士胶片(中国)投資有限公司

富士胶片(中国)投資有限公司は、事業を拡充しつつ発展してきた過程の中で、各事業部の業務プロセスが統一されておらず、結果として全社最適化の面で課題を抱えていました。

具体的な課題として、業務の効率化、意思決定の迅速化、人材異動の容易化の3つでした。これらの課題を解決に向けて「人・組織」「業務」「IT」の3つの観点に分けて具体的な案を検討しました。

とくに「業務」の観点では業務プロセスを再定義することを掲げ、「SAP標準機能による部門間情報伝達の廃止」「SAP外での情報管理(Excel台帳)の廃止」といった解決策を打ち出しました。

上記3つの観点から導き出された解決策により、同社の業務工数は1か月あたり750時間削減されました。同社は標準業務プロセスが再び俗人化されないよう、一層の定着化を推進しています。

参考:https://www.abeam.com/kr/ja/case_study/cs087/

③花王株式会社

花王株式会社は情報システムの先端企業としても有名です。当時、同社の課題として、「グローバル経営情報の見える化による経営強化」「事業の急激な変化やM&Aに迅速に低コストで対応」「欧米の大手小売業に太刀打ちできる交渉力」「国際会計基準(IFRS)への対応準備」がありました。

同社はこれらの課題の解決に向けて、基幹システムをコア領域とノンコア領域に分け、ノンコア領域である購買管理、生産管理、物流管理、販売管理、財務・管理会計などはERPパッケージで再構築しました。

従来のシステムを単にERPに置き換えるのではなく、それをベースにしていかにベストプラクティスを迅速に取り込めるかを考える必要がありましたが、同社はコンサルティング会社に支援をいただきながらこの課題を乗り越え、グローバル経営情報の見える化の実現に成功しました。

参考:https://www.abeam.com/jp/ja/case_study/cs034/

④千代田化工建設株式会社

当時、千代田化工建設グループは、エネルギー需要の増加をはじめとする外部環境の変化やグローバル競争の激化に迅速に対応することを目的に、「新グローバル経営マネジメントシステム」の構築に着手していました。

グローバル経営マネジメントシステムとは、業務の進め方、管理の手法、用語などがグローバルに統一されている仕組みを指します。その仕組みの実現に必要なシステムの1つに、同社は財務会計・調達機能を持った「SAP® ERP 6.0」を導入しました。

同社は「SAP® ERP 6.0」導入をはじめ、プロジェクトマネジメント、エンジニアリング、資材管理それぞれにおいて必要なシステムを導入し、ベスト・オブ・ブリードの考え方に基づく統合ソリューションを実現することができました。

参考:https://www.abeam.com/kr/ja/case_study/cs073/

⑤株式会社グローバルBIM

株式会社グローバルBIMは、鹿島建設グループのさらなるBIM(Building Information Modeling)の普及展開・高度化実現のため2017年に設立されました。

同社は株式会社沖縄デジタルビジョンとの経営統合を契機に、会計業務の標準化・内部統制強化のため、クラウドERPを導入しました。

このクラウドERPを導入後、内部統制の強化や、シンプルな操作で経営判断に必要なデータを取得可能になったこと、また在宅勤務の導入への貢献や間接業務時間の大幅な削減といった複数の効果が現れました。

参考:https://www.oro.com/zac/casestudy/bim.html

⑥株式会社ピーエムティー

株式会社ピーエムティーは1991年に半導体製造向けの商社として創業しました。当時同社のものづくりを支えていたのは商社時代に構築した販売管理パッケージをカスタマイズしたシステムでした。

ただ、このシステムには生産管理系の機能が備わっておらず、現場の社員がExcelを駆使しながら生産管理に不足している機能を補っている状況でした。

事業拡大に伴い、こうした運用体制が限界に近づいたこともあり、同社はERPを導入することになりました。ERP導入後はものづくりの現場の状況が可視化され、意思決定の精度とスピードが大きく向上しました。

また、決算の早期化の実現や、現場の社員の利便性の向上にも寄与しており、データの生産性を飛躍的に高めることができました。

参考:https://www.kccs.co.jp/ict/case/0013/

⑦株式会社いけうち

産業用の「霧」を生み出すノズル製品を製造販売している株式会社いけうちでは、当時既存のITシステムのデータ活用が課題でした。

そこで同社は基幹システムを刷新することにし、組立製造業向けのグローバルERPを導入しました。そして全社共通のシステム基盤を実現したことで、工場ごとにカスタマイズされていた業務フローが共通化され、業務の標準化が進みました。

業務の標準化をうけて、現場のこれまでの受注重視の考え方が売上・原価重視の考え方に意識が変化したこと、データの把握により適切な売価や生産の最適化に関する議論が活発に行われ、コスト意識が向上したこと、データを基に納期や売価の話ができるので、提案型のビジネスが可能になったことなど様々な効果が現れました。

参考:https://www.kccs.co.jp/ict/case/0019/

⑧株式会社タイトー

1970年代後半に「スペースインベーダー」で一世を風靡した株式会社タイトーは、現在はアミューズメント施設の「タイトーステーション」やオンラインゲームである「タイトーオンラインクレーン」などのコンテンツやサービスを提供しています。

そのような同社の当時の課題はレガシー化した基幹系システムであり、システムの利用と運用の両面における俗人化が問題でした。そこで、同社は経営基盤の再構築を決断し、新たな基盤系システムの基盤にWebベースの統合型ERPを導入しました。

ERP導入後、部門ごとに乱立していた受発注画面や商品マスタ、取引先マスタなどが統合され、全社員が同じインタフェース、一元化されたマスタデータに基づいて業務が行えるようになりました。

参考:https://www.grandit.jp/showcase/detail/taito.html

まとめ

ERPは業務の効率化や情報の一元管理に大きく貢献するシステムであり、部門ごとの課題解決にも効果を発揮します。ただし、導入・運用について、導入後の運用ルールの整備や、従業員への丁寧な教育を行うことも不可欠であることがわかったと思います。

ERPの導入については、プロの会社に支援依頼をするのがおすすめです。そこで、もしERPの導入支援を検討されている場合は、そのような会社とのマッチングを提供するエッジワークの活用がおすすめです。

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