PMO(Project Management Office)とは、プロジェクトを遂行する責任者であるプロジェクトマネージャーの管理やサポートをするシステムです。本記事では、PMOを外部に委託する場合に発生する一般的な費用相場について解説します。PMOの運用形態やPMOを外注する際に気をつけたいことも合わせて紹介します。
目次
PMOを外注する際の費用相場
PMOを外注する場合にかかる費用は、月額80万円から130万円程度が相場です。これにはプロジェクトの管理や支援、専門的な業務対応などが含まれます。
PMOの外注先には、企業とフリーランスが考えられます。違いを詳しく見ていきましょう。
企業に依頼する場合
一般的に、企業にPMOを依頼する場合にかかる費用相場は月額80万円程度です。
企業のPMOには複数のプロジェクトを同時に取り扱う能力が高い傾向があり、プロジェクト管理やPMO経験豊富な専門スタッフによるプロジェクトマネジメントサービスが受けられます。
そのため規模の大きいPMOや自社でPMOを実施した経験がなく、組織的な支援が必要な場合などでの利用が有効です。
フリーランスに依頼する場合
一般的に、フリーランスにPMOを依頼する場合にかかる費用相場は月額100~130万円程度です。
フリーランスは顧客のニーズに応じた柔軟な対応が可能で、特定の業界や専門分野に特化した経験を活かして、プロジェクトごとにカスタマイズされたサポートを提供します。PMOに期待することが明確な場合などに活用すると便利です。
ただし、フリーランスの場合、担当者により専門性や経験の内容などが大きく異なります。依頼をする場合は、プロジェクトの内容や費用、実績などを伝えて対応可能かどうかを確かめてから依頼を行いましょう。
PMO会社の運用形態
PMOはプロジェクトが円滑に進むように、スケジュール管理やリソース確保、プロジェクト内容の調整を行う役割です。経営層や担当者・外部の利害関係者などと調整を行う場合もあります。
PMO会社は、PMOの支援を専門に行う企業のほかITコンサルファーム、Sler、戦略コンサルファームなどがあります。また、運用形態は、以下のように分けられそこに発生する費用もさまざまです。
- プロジェクト型
- 全社型
- ハイブリッド型
専門的なマネジメント技術を活用して、プロジェクトの効率化や品質向上を図ることができます。企業の組織構造やプロジェクトの規模や業界、必要とされる支援の範囲などに応じて使い分けると便利です。
プロジェクト型PMO
プロジェクト型PMOは、特定のプロジェクトに焦点をあてて設定する形態です。特定のプロジェクトに限定して設置する形態です。取り組み範囲が限られていることから、全社型やハイブリッド型に比べて費用が抑えられる傾向があります。
IT、建設、エンジニアリングなど、プロジェクトの成果物が明確で期間限定で特定の成果を求められる場合に向いています。進捗管理、リスク管理、品質保証など、プロジェクト固有の課題への対応が中心です。
全社型PMO
全社型PMOは、恒常的な部門として常設する形式です。企業全体のプロジェクトに対して広範な支援を提供するため、費用が最も高くなることが一般的です。複数の部門を持つ企業など、多様なプロジェクトを扱う企業で、プロジェクト管理の一貫性を保ちたい場合などに向いています。
プロジェクト管理のプロセス標準化、教育とトレーニング、組織全体のパフォーマンス向上が図れます。
ハイブリッド型PMO
ハイブリッド型PMOは、プロジェクト型PMOと全社型PMOの特徴を組み合わせた形態で、費用はプロジェクトによりさまざまです。ソフトウェア開発やバイオテクノロジー、自動車、エネルギーなど、変化が激しく柔軟性が求められる業界に向いています。特定のプロジェクトと全社的な取り組みのバランスを考慮した管理など、企業のニーズに合わせた対応が期待できます。
PMOを導入するメリット
PMOを単に進捗管理や交渉だけととらえると、費用をかけてまで導入する必要があるのか疑問に感じることがあるかもしれません。しかし技術の進化に伴いプロジェクトも日々高難易度化しているため、管理側の負担も増す傾向にあるのです。
PMOを導入することには以下に挙げるようなメリットがあります。詳しく見ていきましょう。
- プロジェクトの現状を可視化できる
- 意思決定の精度を高められる
- 内部事情の影響を受けにくい
プロジェクトの現状を可視化できる
プロジェクトの状況把握には、進捗管理、課題管理、予算管理、リスク管理、障害管理などが必要です。PMOの現状を可視化することで、担当者による認識の相違など潜在的な問題が予防できます。
また、問題が発生した場合には迅速な原因究明が可能です。PMOでは専門知識と経験によりプロジェクトを組織的に支援し、課題があれば対策を講じます。
意思決定の精度を高められる
PMOがプロジェクトマネジメント業務を支援する目的は、プロジェクトマネージャーの決定をサポートすることです。経営層がスムーズに意思決定を行うためには、素早く正確に現状を把握しなければなりません。
PMOが業務の支援や人材やリソースの調整、環境整備といった管理業務を行うことで、PMや経営層はプロジェクトの状況を随時把握できます。その結果、意思決定に集中して精度を高めることが可能です。
内部事情の影響を受けにくい
プロジェクトを社内の人材だけで実行すると、社員同士や部門間の内部事情がプロジェクトの進行に影響を及ぼすことがあります。
しかし、PMOは第三者の立場でプロジェクトマネジメントに関わるため、企業内の力関係や複雑な事情に左右される可能性が少なくなります。
PMOを導入すると、客観的かつ効率的にプロジェクトを問題解決へと導くことが可能となり、各担当者は組織全体の目標達成に集中することができます。PMOは独立した立場でプロジェクトの品質と成果を一貫して保つことが可能です。
PMOを外注する際のポイント
外部のPMOは、プロジェクトマネジメントに必要となる知識や経験を活かしてアドバイスを行ったり課題を解決に導くサポートを行ったりします。PMOを外注する場合には、以下のような点を踏まえておきましょう。
業務範囲を明確にする
PMOを導入する際は、事前に「かけられる費用はどの程度か」など自社の課題を洗い出したうえで、業務範囲を明確にすることが重要です。いくらPMOが豊富な知識を持っていても、解決すべき課題が見えていなければ効果が発揮できません。
業界の専門知識や実務経験の有無
PMOを支援する会社には、さまざまな運営形態があります。
また「企業に寄り添う課題抽出が得意で対応力がある」「業界最先端の知識を有し、海外とのネットワークも強い」「開発費用を抑える施策に強い」などPMOでも得意分野が異なります。
PMOを外注する場合には、企業のホームページや担当者への問い合わせをとおして、依頼したい内容と得意分野が一致しているかを確かめましょう。
アフターサポートは徹底しているか
PMOはプロジェクトの最後まで伴走して、計画どおり完了できるように手を尽くします。
しかし、無事にプロジェクトが完了しても、実際に市場に投入したり運用を始めたりすることで新たな問題が出てくる場合もあるでしょう。
アフターサポートが充実しているPMOの場合、導入後も継続的に支援を行い、問題が発生した際に迅速に対応を行います。
人柄がよく課題に合う提案をしてくれるか
「業務が多くプロジェクトが適切に回らない」「スポット業務としてPMOに依頼したい」「入札が絡むため管理の難易度が高い」など、PMOを導入したい企業のニーズはさまざまです。
PMOを選定する際は「話していて安心できる」「困りごとに対して的確な提案が得られる」などPMOの人柄についても確かめましょう。「信頼できる人柄かどうか」「ニーズに対して具体的な提案ができるか」がPMOとして重要です。信頼できるPMOとよい関係を築くことで、各プロジェクトを最短経路で最適解へ導くことにつながります。
まとめ
PMOを外注する場合の費用は、企業の場合80~130万円、フリーランスの場合100~130万円が相場です。マネジメントスキルや推進力・管理力のほかにコミュニケーションも求められるため、自社の課題に合ったPMOを見つけましょう。
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