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公開日:2024/09/12

BI活用事例10選!BIツールの基本的な活用方法と合わせて解説

BI活用事例10選!BIツールの基本的な活用方法と合わせて解説

近年の企業では、収集したデータをビジネスの施策に適切に反映させるためにBIツールが多く利用されています。しかし、BIツールの使い方や具体的な活用法を知らない担当者も見られます。

そこで本記事では、BIツールの主な活用方法や活用事例10選についてご紹介します。企業ごとの活用事例を詳しく解説していますので、ぜひビジネスにお役立てください。

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BIツールの活用方法について

BI活用事例10選!BIツールの基本的な活用方法と合わせて解説

BIツールの主な活用方法には、以下の3つが挙げられます。

  • データの収集・蓄積・統合
  • データの集計・分析
  • データの可視化

それぞれの活用方法について詳しく解説します。

データの収集・蓄積・統合

企業では経営改善のためにデータを収集しようとしても、部門間のシステムの違いからうまく集められなかったりデータが散乱していたりするケースが多く見られます。このような場合にBIツールを導入すれば、種類が異なるデータでも収集できますので売上アップや営業に役立てられます。

またBIツールを導入した後は、データを蓄積しやすくなる点もメリットです。企業全体のデータをBIツールで収集できるようになりますので、必要なデータをすぐに見つけられるようになるでしょう。

さらにデータを統合できる点も便利です。BIツールでは社内における多くの部門のデータを横断的に収集できますので、それらを統合してより立体的なデータ分析を実現できるのです。

データの集計・分析

データを収集した後は、分析に役立てるように集計しなければなりません。このような作業はExcelで行っている企業が多いですが、実際にはそれぞれの部門におけるデータを収集してからExcelで集計しますので、かなり手間や時間がかかってしまっています。

しかし、BIツールを導入すれば集計作業を瞬時に完了して、グラフなど分かりやすい形式で出力してくれるのです。また従来のシステムではデータは単純な数値や表で保存されているケースが多いですが、BIツールを利用すればそのようなデータにも対応できますので分かりやすく分析できるようになります。

さらにデータマイニングなど本来専門家が時間をかけて行うような高度な分析も簡単にできるようになりますので、従来の方法では見つからなかった斬新な経営改善策を発見できる可能性も期待できるでしょう。

データの可視化

データを収集・分析したら、グラフや表などでわかりやすく可視化してレポート化できます。Excelなどのツールと異なり、BIツールではより多彩な色付けやサイズ調整などもできるため、ニーズに合ったレポートを作成できるでしょう。またBIツールの種類によってはハイライトやフィリタリングをつけたり画像や動画を貼り付けられたりできますので、利便性に優れています。

またデータを迅速に収集・分析するため、タイムリーに可視化できる点も役立ちます。最新のデータを多くの部署で共有できますので、問題の改善や実施すべき施策をデータにもとづいて的確に提案できるようになるでしょう。

さらに基幹系システムなどと連携させて、データ分析を自動化することもできます。ダッシュボードを自動更新する機能を持つBIツールもありますので、逐一データを更新する手間が省けるだけでなく、様々な業種で利用できるため自社で導入するかどうか検討する価値は十分にあるでしょう。

BIツールの活用事例10選

BI活用事例10選!BIツールの基本的な活用方法と合わせて解説

次に、BIツールの代表的な活用事例として以下の10選をご紹介します。

  • 株式会社SBI新生銀行:組織全体のデータマネジメントスキル向上
  • 株式会社伊藤久右衛門:売上・在庫、予実績などの分析
  • NECソリューションイノベータ株式会社:IT部門や事業部門のレポート工数削減
  • 株式会社ネクスウェイ:データ集計時間削減とOODAのスピード向上
  • キリンシティ株式会社:店舗売上計画とシフト作成の効率化
  • リバイス株式会社:仕入れからアフターまでの業務をシームレスに連携
  • アシックスジャパン株式会社:顧客行動データの統合活用
  • キッコーマン株式会社:世界各国に散在する膨大なデータを短期間で集約
  • 中外製薬株式会社:決算報告作業の劇的な効率化
  • 住友ゴム工業株式会社:個人のデータ可視化・分析の推進

実際のBIツール導入による成果などについて詳しく解説します。

株式会社SBI新生銀行:組織全体のデータマネジメントスキル向上

株式会社SBI新生銀行は銀行とノンバンクの特徴を併せ持つハイブリッドな金融組織であり、幅広い顧客ニーズに対応するために様々なサービスを提供しています。同社では2019年9月にSalesforceのデータをリアルタイムで集計して可視化するために、MotionBoardを導入しました。

Salesforceの導入直後には別のBIツールを利用していましたが、営業が求める集計表の作成には向いていなかったことから現場では不評であり、成績の向上にもつながりませんでした。そのような状況を打開するために、MotionBoardの導入を決めたのです。

MotionBoardではダッシュボードを確認する際に別のアプリからログインする必要がなく、Salesforceを立ち上げたまま利用できる点が便利だと評判を集めていました。またデータを簡単に出力、可視化できる点も作業工程の短縮に役立っています。

このような高い利便性から、現在では営業に留まらず組織全体のデータマネジメントに活用されており、顧客の来店状況や目的をリアルタイムで把握できるダッシュボードを作成したり、新しくローンチしたアプリのダウンロード状況を把握できるダッシュボードを追加したりするなど幅広く利用されています。

参考:営業現場に寄り添ったBI活用で、 組織全体のデータマネジメントスキル向上を狙う

株式会社伊藤久右衛門:売上・在庫、予実績などの分析

株式会社伊藤久右衛門は2つの実店舗やWeb販売、通信販売から宇治抹茶や抹茶を使ったスイーツの製造・販売を行っている企業であり、2010年から社内データを管理する基盤としてDr.Sumを導入しました。以前は基幹システムから必要な情報を抽出して分析して製品の管理や販売に利用していましたが、繁忙期になるとそれぞれの部署から在庫データなどを要求されるため過度な負担がかかり、業務が止まってしまう事態が見られていたのです。

そこで在庫データを管理してスムーズに業務を進めるために、Dr.Sumを導入しました。従来の期間システムでは1日に1回在庫データを更新するのが限界でしたが、Dr.Sumでは随時更新できるようになっていることから大幅に働きやすさの向上に役立っています。また期間システムへの負担が大幅に軽減されたことから、繁忙期にも問題なく働けるようになったのです。

現在では基幹システムや在庫データだけでなく、POSシステムや品質管理、アンケートの結果など様々なデータを集約して、売上・在庫、予実績などの分析に役立てています。

参考:売上・在庫、予実績などの分析にDr.Sumを採用
情報活用による“数字の文化”が根づき、データから顧客の購買ストーリーを発見

NECソリューションイノベータ株式会社:IT部門や事業部門のレポート工数削減

NECソリューションイノベータ株式会社とは、NECグループの社会ソリューション事業における中核会社です。システムインテグレーション事業や基盤ソフトウェア開発事業など幅広い事業を展開しています。

以前はビジネスに社内データを反映させるためにIT部門がBIレポートを作成していましたが、作成に時間がかかることから1年または半年に1回公開するのが限界という課題を抱えていました。またその内容も現場のニーズや要望が反映されていなかったことから、事業部門で活用されていなかったのです。一方事業部門もBIレポートを作成していましたが、こちらもそれぞれの部署ごとにBIを実行しており、横断的に活用することはできていませんでした。

このような状況を解決するためにTableauを導入したところ、IT部門や事業部門におけるBIレポートの工数が3分の1に短縮できました。またレポートも月次や日次で確認できるようになったことから、意思決定や施策の見直しもスムーズになったのです。

会社全体でBIレポートの作成や活用ができるようになったことからTableauは社内に浸透しつつあり、今後はAIやIoTの事業分析にも利用する方針を示しています。

参考:現場のBIニーズを的確かつスムーズに反映し
IT部門や事業部門のレポート工数を劇的に削減

株式会社ネクスウェイ:データ集計時間削減とOODAのスピード向上

株式会社ネクスウェイは通信サービスやSaaSを提供する企業であり、多種にわたる業種において営業やマーケティング、店舗運営をサポートしています。同社では流通経路から売上までの流れを可視化するためにSalesforceを利用していましたが、プロダクトごとの要件の違いや仕様による制約から施策の評価が遅れる課題を抱えていましたようです。

このような課題を解決するためにSrushを導入したところ、非常にスピーディーにデータの集計や分析ができるようになり、作業時間を月50時間削減することに成功したのです。また部署ごとの数値もSrushでタイムリーに確認できるようになったことから、Observe(観察)、Orient(状況判断)、Decide(意思決定)、Act(実行)の頭文字を取ったビジネスフレームワークであるOODAのスピードも格段に上がり、データにもとづいた意思決定や行動が実行できるようになりました。

将来的には商談における情報と実際のデータを照らし合わせて、より売上に貢献できる施策の提案に活用することを予定しています。

参考:データはあるのに出せないからの脱却!月50時間のデータ集計時間削減とOODAのスピードを劇的に向上

キリンシティ株式会社:店舗売上計画とシフト作成の効率化

キリンシティ株式会社とは、ビアレストランやカフェのチェーン店を展開している外食産業企業です。コロナ禍によって社会が大きく変化する中で新しい環境に適合するためにTOUCH POINT BIを導入し、2021年4月から店舗分析と来客予測の機能を利用しています。

以前は仕入れ業務などをベテランの経験や勘に頼る部分が大きかったですが、TOUCH POINT BIによるデータ分析から効率的な業務が実現できるようになりました。またTOUCH POINT BIで算出された売上予測は、本社から各店舗への店舗別売上予測や実績の配信や、予測と実績のギャップとの確認などの方法で活用されています。さらに顧客の来店時間や時間帯ごと傾向などの予測データから、従業員のシフトや休憩の時間帯の調整にも役立てています。

TOUCH POINT BIのさらなる活用法として、顧客が注文するメニューにおける商品戦略の最適化や各店舗におけるフードロス対策を検討しており、データにもとづく経営を行う風土作りを目指しています。

参考:複数の部署でデータの分析・活用を実施!会社全体のDXで構造改革に取り組む!

リバイス株式会社:仕入れからアフターまでの業務をシームレスに連携

リバイス株式会社とは、主に中古車を販売する事業者が行うアフターセールスをサポートするサービスを行う企業でしたが、近年では車両の仕入れや集客、プロモーションなどあらゆる業務を総合的に支援するサービスを展開しています。このような事業拡大に向けて、仕入れからアフターサービスまでの業務を一貫して行うためにMobiconというシステムを構築し、LTV(Life Time Value、顧客生涯価値)向上に役立つ指標を収集するためのBIツールとしてYellowfinを導入しました。

Mobiconは仕入れからアフターまでの業務を一貫して連携するシステムであり、事業に必要な情報がすぐに閲覧できるようになっています。ダッシュボードでは在庫情報や売上推移、顧客情報などが確認でき、顧客を育成するためにその日に行うべきタスクも具体化しているのです。データを詳しく確認したい場合には、レポートをクリックするとYellowfinが顧客やKPIの分析結果を表示するようになっており、従業員がMobiconをより使いやすくするためのツールとして利用されています。

またYellowfinの導入によって、プロモーションコストを30~40%削減することに成功しました。過去には顧客を集めるためのイベントを開催するときにはDMを郵送していましたが、ターゲットを絞らずに送っていましたので余分なコストがかなりかかっていました。しかし、Yellowfinの分析から優良なエンドユーザーに絞れるようになり、効率的な販促活動が実現できるようになったのです。

さらにYellowfinとAIを掛け合わせたソリューションを検討しており、顧客の活動データをリアルタイムで分析したり走行距離などのIoTデータを活用して車両の資産価値を算出したりすることの自動化を目指しています。

参考:BIの組み込みで分析機能をアップグレード。中古車事業者のLTV最大化のためのサービス「Mobicon」を新たに構築

アシックスジャパン株式会社:顧客行動データの統合活用

アシックスジャパン株式会社とは、スポーツシューズや一般シューズを国内や海外で販売している多国籍企業です。ECサイトや実店舗など様々な販売経路を確立していますが、部署によって顧客行動データの運用方法が異なるなど販促にうまくつなげられない課題を抱えていました。そこでデータを購買活動にうまく反映させるためにMarketing Cockpitを導入した結果、ECサイトや店舗における顧客行動データを効率的に分析できるようになり、それぞれの販売経路を利用している顧客に合ったアプローチが可能になりました。

例えば、訴求するターゲットが明確化できたことからDMなどのデザイン作業もデータにもとづいた作業を実施できるようになりました。以前は店舗を利用しているお得意様に向けて同じような内容のDMを送っていましたが、改良したデザインの販促DMを訴求すべきターゲットに送れるようになったのです。その結果2022年3月に発売したPEDALA RIDEWALKは多数の実店舗から欠品が発生するほどの売れ行きとなり、ROI(Return On Investment、投資利益率)前年比125%、売上計画比142%を達成しています。

またマーケティング活動を会社全体で行えるようになった効果も見られます。DMは実店舗への集客方法として利用していましたが、その内容にECサイトでの購買を誘導するバーコードを載せていたことから「売上がそちらに流れてしまうかもしれない」と実店舗の従業員から反発されていたのです。

しかし、Marketing Cockpitによる顧客行動データを分析した結果、ECサイトの顧客とECサイトおよび実店舗を併用している顧客はほとんど被っていないことがわかりました。この事実から実店舗とECサイトが共同して販促活動を行えるようになり、会社全体で協力できる体制を構築できたのです。

参考:顧客行動データの統合活用が実現した売上計画142%達成/ROI 125%
ー POS、ブランドサイト、ECの顧客行動データ統合・活用 ー

キッコーマン株式会社:世界各国に散在する膨大なデータを短期間で集約

キッコーマン株式会社は醤油をメインとした調味料や加工食品を取り扱う食品メーカーであり、100ヶ国以上の国に展開しているグローバル企業です。同社ではWEBサイトのアクセスログや会員データ、POSデータなど膨大な量のデータを収集してExcelなどのツールで集計したのちにデータ分析を行っていましたが、一連の作業を迅速化するためにTableauを導入しました。

またTableauの導入をきっかけとして、世界各社のデータを自動的に集約するシステムも構築しました。以前はこれらのデータの入力作業や集計に1週間ほどかかっていましたが、導入後では次の日に各種レポートを確認できるようになったのです。

Tableauはこのようにデータ分析の迅速化や自動化に役立つことから、データにもとづいた施策にチャレンジできる組織への変革を目指しています。

参考:世界各国に散在する膨大なデータを短期間で集約!Tableau導入で実現する「次のアクション」につながるデータ活用

中外製薬株式会社:決算報告作業の劇的な効率化

中外製薬とは、スイスに本社がある製薬を主な事業とするバイオテックカンパニーであるロシュ・グループの関連企業であり、国内ではグループにおける中核会社となっています。外資系企業であることから決算報告作業を迅速に行う必要があり、2005年に同社はBPR(Business Process Re-engineering、業務の抜本的な改革)を目的として経理などの主要部門にERP(Enterprise Resource Planning、基幹系情報システム)製品であるSAP R/3を導入しました。

しかし、同社は決算報告作業に課題を抱えており、経理が決算に必要な書類にまとめる時間はわずか3日しかなく、その上日本の会計基準と国際会計基準の2つに沿って作成しなければならなかったことから、SAP R/3のみでは非常にタイトな作業を強いられていたのです。そこでこの課題を解決するために様々なBIツールを検討したところ、レスポンスの早さからDr.Sum EAの導入を決定しました。

その結果、決算報告作業の開始時には損益計算書や貸借対照表のデータはわずか十数秒で出力できるようになり、業務が非常にスピーディーに進められるようになりました。また最新データもDr.Sum EAで一元管理されているため、市場導入で活用されるようになっています。

2008年にはDr.Sum EAを使ったBI環境が整備され、SAP R/3上の財務データはDr.Sum EAに日次でアップされるようになりました。または連携会計データや調整データも月次で集約されるようになり、Dr.Sum EAは決算報告書を作成するデータを一元管理するツールとして重宝されています。

ERP推進部経理人事グループの課長である楠 博之氏は、「今後Dr.Sum EAをさらに活用してビジュアルな分析に慣れていくことで、担当者にとって様々なアイデアを発見してもらい、よりクリエイティブな仕事になることを期待しています」と語っています。また 「経理情報だけでなく、R&D(研究開発部門)や生産、営業の部門にもDr.Sum EAは有効に活用できる場面があるのではと思っています」とさらなる活用法を検討しているようです。

参考:決算報告作業の劇的な効率化を目指した中外製薬のBI活用

住友ゴム工業株式会社:個人のデータ可視化・分析の推進

住友ゴム工業株式会社はタイヤ事業や産業品事業などをグローバルに展開しているゴム製品メーカーであり、自社でDX人材を育成するために業務プロセスの大幅な刷新を行っています。その一環としてデータにもとづく意志決定が誰でもできるような風土作りを行っており、2018年からTableauを導入して全社員のデータの可視化・分析を推進しています。

具体的には、以前手作業で集計していたデータをTableauで自動収集してレポート化しており、また複数のデータや長期間にわたるデータの確認作業によって得られるようになった新しい発見を社内で共有することで、Tableauを活用しています。

その結果、DXリテラシーを持つ人材が510名、ビジネスコアレベルが100名、プロは50名、データエンジニアは61名の育成が完了しています(2023年4月時点)。教育を受けた人材に対しては、業務内容から課題を見つけて解決を図る実践型の研修としてPBL(Project Based Learning)を実施しており、実務への導入も進めています。

参考:DX人材の育成・データ活用・RPA推進

まとめ

BIツールは、これまで企業で使われていたツールとは一線を画すデータ分析に役立つツールです。データ収集から集計・分析、グラフや表などで可視化してレポート化する一連の流れを非常にスピーディーに行いますので、どのような企業でも導入を検討する価値があるでしょう。

しかし、BIツールでは自社の基幹系システムとの相性など状況によっては使いづらいケースも見られます。そのような場合には、BIツールの専門家が集まっているエッジワークにお任せください。

御社のシステム環境を入念に確認してから解決すべき問題をヒアリングした上で、適切なBIツールの導入をサポートいたします。WEBサイトやお問い合わせフォーム、お電話で対応していますので、いつでもご連絡ください。

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