画像認識の基礎知識とプロセス
基礎知識
画像認識は、コンピュータが画像を理解し特定の物体やパターンを自動的に識別・認識する技術です。画像認識は、人間の視覚能力に近づくことを目指しており、多くの分野で応用・利用されています。
使われている技術は、
- コンボリューショナルニューラルネットワーク(CNN): 画像認識に特化したディープラーニングモデルであり、畳み込み層とプーリング層を用いて特徴抽出を行います。
- リカレントニューラルネットワーク(RNN): 時系列データやシーケンスデータの解析に適しており、ビデオ解析などに利用されます。
- トランスフォーマーモデル: 自然言語処理で広く用いられており、画像認識分野でも利用が拡大しています。
などがあり、これらの技術やプロセスを組み合わせ、画像のデータから意味のある情報を抽出します。
それでは、どのようなことができるのか見ていきましょう。
画像認識でできること
- 画像分類: 画像全体を特定のカテゴリに分類する。例えば、画像が「犬」か「猫」かを判断するなど。
- 物体検出: 画像内の特定の物体を検出し、その位置を特定する。例えば、画像内の車や歩行者を識別してその位置を示す。
- 画像セグメンテーション: 画像をピクセル単位で分割し、各ピクセルがどの物体に属するかを特定する。例えば、医療画像で腫瘍部分を正確に分離するなど。
- 顔認識: 画像やビデオの中から特定の人物を識別する。セキュリティやアクセス管理で使用される。
- シーン理解: 画像内のシーン全体を理解し、その内容を説明する。例えば、画像が公園であるか、街中であるかを判断するなど。
画像認識は、顔認識によるアクセス制御や監視システム、自動運転、医療画像の解析と異常検出、製造業における品質検査や、不良品の検出、ゲームにおけるARやVRなど体験型エンターテイメントなど、さまざまな業界で応用することが可能です。
プロセス
画像認識の基本的なプロセスについてご紹介します。
- 画像の取得: デジタルカメラやセンサーを用いて画像やビデオデータを取得します。
- 前処理: 画像のノイズを除去し、サイズや明るさを調整するなど、後続の処理を円滑に行うための準備をします。
- 特徴抽出: 画像から重要な特徴(エッジ、テクスチャ、色ヒストグラムなど)を抽出します。
- モデリングと学習: 抽出した特徴を用いて機械学習モデルを訓練します。ディープラーニングでは、CNN(コンボリューショナルニューラルネットワーク)などのネットワークがよく使われます。
- 分類・認識: 学習したモデルを用いて、入力画像を特定のカテゴリに分類したり、物体を認識します。
- 評価と改善: モデルの精度を評価し、必要に応じて改善を行います。
これまで画像認識の基礎知識とプロセスについて簡単にご説明しました。以上の技術を企業がどのように活用しているのかを次の項目でご紹介します。