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公開日:2024/03/12

プロ人材とは?タイプや活用方法について解説

プロ人材とは?タイプや活用方法について解説

現代のビジネス環境は急速に変化しており、企業は柔軟性と効率性を追求することが必要不可欠です。このような状況下で、プロ人材の活用は非常に重要となっています。プロ人材は、専門的なスキルや知識を持ちながらも、企業にとって固定費や採用プロセスの負担を軽減するメリットがあります。

本記事では、プロ人材とプロ人材を採用して攻めの経営を実現した企業事例について紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。

プロ人材とは

内閣府では、プロ人材を以下のように定義しています。

プロフェッショナル人材とは、地域企業の経営者の右腕として、新たな商品・サービスの開発、その販売の開拓や、個々のサービスの生産性向上などの取組を通じて、企業の成長戦略を具現化していく人材です。

引用元:内閣府 プロフェッショナル人材戦略ポータルサイト

必須の資格や年齢制限などはなく、新規プロジェクトの立ち上げや新サービスの開発、生産性の向上など、いわゆる攻めの経営に必要な専門的スキルや経験を持つ人を指します。

プロフェッショナル人材事業について

プロフェッショナル人材事業とは内閣府が取り組む事業で、主な目的は「地域企業の成長」と「地域経済の活性化」です。
地域経済を支える企業が攻めの経営に挑めるように、プロ人材の採用支援を行っています。地域の中小企業を成長させて地域経済を活性化することで、若い人が安心して地方で働けるようになります。

プロフェッショナル人材事業について

内閣府はプロフェッショナル人材事業の認知拡大のために「プロフェッショナル人材戦略ポータルサイト」を運営しているため、興味がある方はご覧になってください。

なお、認知度が高まり利用者が増加している状況で、2023年度は26万8,463名のプロ人材が地方の中小企業とマッチングしました。

プロ人材のタイプ

内閣府はプロ人材を、以下の3つのタイプに分けています。

  • 経営人材・経営サポート人材
  • 新事業立ち上げ・販路開拓人材
  • 生産性向上人材

また、どのような人物像かわかりやすく説明しています。

プロ人材のタイプ

経営人材・経営サポート人材

経営人材・経営サポート人材とは、経営者を支える右腕として企業マネジメントを行う人材です。大手企業のマネジメント経験者などが採用できます。プロ人材を採用した企業では、事業拡大の基盤となる体制の強化を図れました。

新事業立ち上げ・販路開拓人材

新事業立ち上げ・販路開拓人材とは、新規事業や海外現地事業など新分野、販路を開拓して売上に貢献する人材です。商社で新規事業の立ち上げを経験した人やグローバルビジネスのマネジメント経験者が採用できます。プロ人材を採用した企業では、海外事業の立ち上げに成功しました。

生産性向上人材

生産性向上人材とは、生産現場の工程を見直して業務効率化を実現する人材です。大手企業の工場長経験者や商品開発リーダー経験者などが採用できます。
プロ人材を採用した企業では、社員に向けて業務改革研修を実施して「高品質」「短納期」「最適コスト」を実現する生産体制を整えることに成功しました。

プロ人材を活用するには

プロ人材を活用したい場合は、全国46カ所に設置されたプロフェッショナル人材戦略拠点か民間のプロ人材紹介サービスに相談しましょう。

プロフェッショナル人材に精通した担当者と対話しながら課題を洗い出した上で解決できる優秀な人材を紹介してもらえます。

プロ人材の活用する方法は「採用」「派遣」「業務委託」の3通りの方法があります。

プロ人材を活用するには

採用

プロ人材を正規雇用すれば、雇用期間を気にせず長期的に働いてもらえます。

つまり、プロ人材にお任せできる仕事の領域や裁量が拡大できます。

そのため、人材基盤を強化したいとお考えの方におすすめの活用方法です。

派遣

プロ人材を派遣社員で雇用すれば、一時的な業務をお任せできます。

プロ人材は派遣会社と雇用契約を締結するため、派遣先は仕事の指示を行うだけで構いません。
派遣社員の雇用契約を終了したい場合は派遣会社に伝えるだけで済むため、雇い入れの業務を行う手間を省けます。

また、双方が同意すれば正社員として雇用することも可能です。

そのため、一時的な業務をお任せしたい方におすすめの活用方法です。

業務委託

プロ人材を業務委託で採用すれば、希望する成果物を手掛けてもらえます。

業務委託には成果物に対して報酬を支払う請負契約と、特定の行為を遂行したら報酬を支払う委任契約(準委任契約)があります。

業務委託者には指示を出すことはできませんが、プロ人材に業務をお任せしたいとお考えの方におすすめの活用方法です。

プロ人材の活用事例

内閣府のプロフェッショナル人材事業でプロ人材採用を支援してもらった中小企業では、どのような効果が見込めたのでしょうか?次にプロ人材の活用事例をご紹介します。

〈参考〉事例集(内閣府地方創生推進室)

プロ人材の活用事例

新規プロジェクトのプロ人材

株式会社三栄機械(秋田県由利本荘市)は航空機の組立装置・整備機材の設計・製作をメイン事業としていた会社です。

しかし、新型コロナウイルスの影響で同事業に陰りが見えてきました。そのため、再生可能エネルギー関連事業に方向転換し、地熱発電の消音装置や風力発電のタワー建設時の治具を受注し製作することに決めました。

その中で海外大手風車メーカーのサポートをする仕事に恵まれ、再生可能エネルギー分野の取り組みを強化することにしました。

海外大手風車メーカーは外国人のため英語が堪能であり、機械装置への知見を持つプロ人材の活用が必須となりました。同社はプロ人材を活用して海外大手風車メーカーのサポート業務だけでなく、コンサルティングまで委託するなど再生可能エネルギー事業を拡大しています。

そこで、日本・タイの製造工場で副工場長・工場長を歴任したプロ人材を登用し、事業の拡大を推進しました。

こちらのプロ人材は海外の工場で工場長をしていた経験から、機械装置に関する専門知識と語学力という点で同社と親和性が高いため、活用にいたったと思われます。

営業のプロ人材

オオアサ電子株式会社(広島県山県郡北広島町)は、大手企業の下請け会社として液晶パネルや音響機器を製造していた企業です。

しかし、リーマンショックにより取引先から契約終了を言い渡されて苦境に立たされ、攻めの経営で改革を行いました。自社製品の全方向 360°無指向性の音楽スピーカーを開発し、大手電気メーカーで営業した経歴を持つ人脈を豊富に持ち販路開拓を得意とするプロ人材を活用しました。

さらに東京にショールームを設置し、ユーザーが商品に触れられる場を作ることで販売台数が増加、売上が伸びています。

また、前述した東京にショールームの設置など、同社では今まで行ったことがないような施策を提案するアドバイザーとしての役割も大きく果たしていると思われます。

マーケティングのプロ人材

有限会社春華堂(静岡県浜松市)は、爆発的なヒット商品うなぎパイを販売している老舗の菓子屋です。和菓子屋から始まり洋菓子へと幅を広げていました。

同社は今後50年後の経営を見据えて、新ブランドを2つ立ち上げることにしました。和菓子屋ブランドが「五穀屋」で洋菓子屋ブランドが「coneri」です。

新ブランドの販路拡大のために2人のプロ人材を活用しました。

「五穀屋」では、洋菓子屋で18年間勤務した後に百貨店の店舗管理や海外出店などの経験を持つプロ人材を登用。プロ人材は直営店のブラッシュアップと販路拡大を担っています。

「coneri」では、東京の通販会社でウェブ担当として、企画からホームページ作成、運営まで手掛けた経歴を持つプロ人材を登用。プロ人材はウェブサイト運営を行い、販売戦略に大きく貢献しています。

AI活用のプロ人材

青谷建設株式会社(鳥取県鳥取市)は土木工事や水道施設工事などを担当する建設会社です。年間売上は公共工事を頼らざる得ない状況のため、現状を打破するための新規事業の立ち上げを検討していました。

そこで着手し始めたのが、土地を有効活用する農業です。高齢者でも農業を立ち上げられるのかアドバイスをもらうためにソフトバンク株式会社のDXの事業本部でプロデューサーをしていたプロ人材を活用しました。

プロ人材からはITやAIを活用する農業運営方法を学び、循環型農業の計画基盤を立てることができました。

また、今まで成し得なかった人脈作りを行い、ステークホルダーとなる企業との関係構築にも貢献しています。

プロ人材の活用は、スキルを活かすだけではなく、これまで培ってきた経験や人脈といったものも、企業に新しい風を吹かせることが可能です。

データ活用のプロ人材

株式会社大伸管工業所(青森県弘前市)は、冷暖房空調設備の設計や施工をしている会社です。

同社は既存市場の拡大に向けて人員増加と社内体制強化に取り組んできましたが、業務効率化や業務改善が不十分だと気づきました。

データ管理のためのシステムを導入しただけで使いこなせる人材がいなかったことが原因だと気づき、経営コンサルタント業務の経歴があり、DX推進の実績を持つプロ人材を活用することに決めたのです。

プロ人材にITシステムの導入から運用まで任せることでデータが上手く活用できるようになり、組織管理能力を上げることができました。

このようなプロ人材はスキルや経験をプロジェクトに活かすだけでなく、導入したシステムを社内で活用できるようにトレーニングを行うなど、高くはなかった会社のITリテラシーを底上げするといったメリットを生み出します。

情報システムのプロ人材

鹿児島信用金庫(鹿児島県鹿児島市)は、地域の住民や企業に対して金融サービスを提供している銀行です。

システム部門担当者が定年を迎えるにあたり、保有するノウハウを継承する必要が出てきました。

また、金融DXに取り組んでいかなければいけないと考えていたため、情報システム分野と金融分野の双方に詳しい、ネットワーク保守・システム開発保守の経歴があるプロ人材を活用することにしました。

プロ人材を活用することで、既存業務の運用を改善し、あらゆる情報を活用できる社内体制づくりに成功しています。

保有するノウハウ継承については従来のベテラン人材が当面稼働することになりましたが、こちらについてもDX化の知見を活かして、例えば異常検知システムの導入などを行い同社に貢献していくと考えられます。

まとめ

プロ人材とは、地域企業の経営者の右腕として、新たな商品・サービスの開発、その販売の開拓や、個々のサービスの生産性向上などの取組を通じて、企業の成長戦略を具現化していく人材を指します。

内閣府は地域企業の成長と地域経済の活性化のために、プロ人材の活用支援を行っています。プロフェッショナル人材事業を上手く活用すれば、売上拡大や生産性向上などの効果が期待できるでしょう。

エッジワークはプロ人材マッチングサービスです。お客様が求めているプロ人材のスキルや経験、解決したい課題をお聞きした上で最適な人材をご紹介します。
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